工場の屋根は、金属製の折板屋根を採用しているケースが多いです。金属は熱伝導率が高い素材のため、夏の暑い時期は日射による熱を吸収し、屋根にこもった熱が室内へと伝わることで、室温が上昇します。

室温の上昇により、工場で働く従業員は暑さを感じ、作業効率の低下や体調不良を引き起こす恐れがあります。こうした問題を防ぐためにも、工場内の暑さ対策は必要不可欠と言えるでしょう。

本記事では、工場で暑さ対策が必要な理由を解説した上で、具体的な対策と共に、その効果を最大限に引き出す方法について詳しく紹介します。

工場の暑さ対策が必要な理由

夏の暑い時期になると、工場の屋根は直射日光による輻射熱の影響を受け、室内の温度が上昇します。輻射熱とは、遠赤外線によって伝わる熱のことです。輻射熱には、人体の体感温度を上げる作用があり、工場で働く人の体調不良や熱中症を招く恐れがあります。

熱中症とは、高温多湿な環境下での作業によって、体温調節機能が正常に働かなくなり、めまいや立ちくらみ、筋肉のけいれん（こむら返り）、倦怠感などの症状を引き起こすことです。従業員を暑さや熱中症から守るためにも、工場の暑さ対策を行うことが大切と言えるでしょう。

参考記事：熱中症（日本赤十字社）

工場の暑さ対策

夏の厳しい暑さは、工場内の作業環境に大きな影響を与えます。工場の暑さを防ぐためにも、適切な暑さ対策を行うことが大切です。まずは、工場の暑さ対策について具体的に紹介します。

空調服を着用する

空調服とは、腰や脇下部分に小型ファンのついた作業服のことです。空調服を着用することにより、服の内部にたまった熱を袖口・襟元などから排出し、夏の暑い時期も涼しく過ごせます。

空調服には、設置されたファンの働きによって、服の中に外気を取り込み、汗の気化熱によって「体を冷やす」効果も期待できます。

さらに襟の内側にある「調整紐」を留めることで、首元と空調服の間に空気の通り道が生まれ、より涼しく過ごせます。ファンは取り外しが可能なため、洗濯もスムーズに行えます。

参考記事：空調服とは（株式会社 空調服）

スポットクーラーを設置する

スポットクーラーとは、局所的に冷却することを目的として作られた空調機器のことです。スポットクーラーの設置により、そこで働く作業員が快適に作業できます。スポットクーラーは電源コードを差し込むだけで使用できるので、必要な場所のみ設置することが可能です。

スポットクーラーには吹き出し口があり、その数が多いものほど冷却範囲が広くなります。その一方で、吹き出し口が多くなるほど価格が高くなる傾向があるので、購入の際には注意が必要です。

吸排気フードを設置する

工場内の機械は輻射熱を発生するため、何も対策を取らないままだと、室内の温度が上昇します。機械からの熱対策には、吸排気フードを設置するのもひとつの手段です。

吸排気フードとは、室内の熱や空気・煙を外部へ排出すると同時に、新鮮な空気を外部から取り込むフード（換気口）のことです。工場の適切な位置に「吸排気フード」を設置することで、室内の熱を外に排出し、室温の上昇を抑える効果が期待できます。

機械に遮熱シートを施工する

夏の暑さ対策を行う際には、機械に遮熱シートを設置する方法がおすすめです。遮熱シートとは、輻射熱を遮断する作用を持つ金属製アルミシートのことです。

弊社では、工場に遮熱シートを施工する場合、フィット工法を採用しています。フィット工法とは、遮熱シートをテント状に縫製し、機器（または乾燥炉）を包み込む工法のことです。

フィット工法では、縫製加工が可能な不燃シートを使用します。不燃シートは広範囲のシートを形成できるため、大型機械である乾燥炉もすっぽり覆うことが可能です。フィット工法を行うことにより、機械から発生する輻射熱を防ぎ、室温上昇を抑えます。

関連記事：フィット工法

暑さ対策の効果を高める方法

暑さ対策は、効果を高める方法を取り入れることで、より高い効果を期待することができます。ここでは、工場の暑さ対策をより高める方法について、具体的に紹介します。

ビニールカーテンの設置

ビニールカーテンとは、軟質塩化ビニール（PVC）を原料として作られたビニール製のカーテンのこと。工場で使用する場合、主に間仕切り用として使用されることが多いです。

ビニールカーテンは、レールとビニールカーテンを取り付けるだけで設置できるので、予算をかけずに設置できるのも嬉しいメリットのひとつ。

ビニールカーテンの設置により、冷房から発生した冷気が外に逃げることを防ぎ、空調効率がアップします。冷房の効きが良くなるので、夏の暑い時期も涼しく過ごせます。

空調制御システムを導入する

工場は建物の構造上、天井が高く窓が少ないため、どうしても空調効率が悪くなってしまいがち。冷房をかけても思うように涼しくならない工場の場合、空調制御システムの導入がおすすめです。

空調制御システムとは、室内の空調を監視・制御・管理できる設備のこと。遠隔管理が可能なため、工場全体の空調状況を効率的に把握し、均一に涼しくすることが可能です。

さらに空調制御システムの設置によって、エネルギーコストを抑えることが可能となり、省エネ効果も期待できます。

シーリングファンの設置・導入

工場内の空調効率を高めるには、天井にシーリングファンを設置する方法もひとつの手です。シーリングファンとは、天井に設置する巨大扇風機のこと。

工場の天井に「シーリングファン」を設置することで、室内の空気を循環させ、熱がこもるのを防ぎます。シーリングファンの設置によって、冷房の設定温度や風量を抑えることが可能となり、結果的に省エネ効果も期待できます。

遮熱シートを屋根に施工する

遮熱シートを屋根に施工することで、日射から発生する輻射熱を防ぎ、室温上昇を防ぎます。遮熱シートは、アルミ純度が高いものほど効果がアップします。

弊社の製品「サーモバリア」は、アルミ純度99%の遮熱シートです。サーモバリアには、暑さの原因となる太陽の熱（輻射熱）を97％カットする効果があります。工場の屋根に施工することで、輻射熱に高い効果を発揮します。

関連記事：遮熱シートとは？構造・種類・対策できる工場の課題について紹介

折板屋根への施工にはサーモバリアを使用した「スカイ工法」がおすすめ

弊社では、工場の折板屋根に遮熱シートを施工する場合、「サーモバリア　スカイ工法」を採用しています。

スカイ工法とは、輻射熱の反射に優れた遮熱シート「スカイシート」を取り付ける工法のことです。スカイ工法は、折板屋根のジョイント部分をシートで覆うことができるので、遮熱対策の他にも「雨漏り」を防ぐ効果が期待できます。

スカイ工法は、シートを直接屋根へ貼り付ける工法のため、天候に関わらず均一な遮熱効果を発揮できます。

関連記事：スカイ工法

工場の暑さ対策で利用できる「補助金制度」とは

各地方自治体によっては、条件に適合すれば「工場の暑さ対策」を行うことで補助金がもらえる可能性が高いです。補助金とは、各地方自治体が独自に実施している制度であり、条件に適合すれば補助金がもらえる制度のこと。

補助金制度は、県・自治体によって条件や申込期間が異なるので注意が必要です。補助金制度の条件、申込期間などについては、各地方自治体のHPで確認することができます。

まとめ

工場の暑さ対策を実施することで、そこで働く人の健康を守るだけではなく、作業員のモチベーションアップ・生産性の向上などのメリットを得られます。

工場の熱対策として「遮熱シート」の効果が気になる方は、弊社の「遮熱体感」サービスを利用してみてはいかがでしょうか。遮熱体感では、サーモバリアの片面に輻射熱を照射し、施工前と施工後の違いを比較します。

遮熱シートの効果は、サーモグラフィーを使用して施工前・施工後の温度変化を確認します。弊社では、施工後の温度変化をより実感していただけるように「Sドローンに搭載されたサーマルカメラ」を使用して、建物の温度分布状況を確認することも可能です。

輻射熱に高い効果を発揮する「遮熱シート」は、正しく施工しなければ十分な効果を発揮しません。確かな効果を得るためにも、施工の際には「専門の業者」に依頼することが大切です。

弊社は、サーモバリア専門の会社として、正しい理論と確かな知識に基づいた施工を行っています。屋根・機械への遮熱シートを施工する際には、ぜひ弊社にお任せください。