工場や倉庫における室温管理は、作業効率のアップと生産性の向上に大きな影響を与えます。暑すぎたり寒すぎたりする環境は、工場・倉庫での作業の効率を下げてしまうだけでなく、従業員が体調を崩す原因にもなるでしょう。
本記事では企業の経営者や施設管理者向けに、室温と生産性向上の関係性について、適正な管理気温の基準と具体的なアプローチについて分かりやすく解説していきます。
高性能遮熱シート『サーモバリア』を活用した工場・倉庫の暑さ・寒さ対策についてもご紹介しますので、ご参考にしてください。
室温管理による生産性向上の事例
適正な温度で室温を管理すると、室内の快適性が保たれるだけでなく、作業の生産性向上にも大きく寄与します。
生産性向上、品質向上、労働災害の減少、従業員満足度の向上など、下記に示すように企業にとって多くのメリットがあります。
製造業からの報告
製造業における成功事例として、自動車部品製造工場での事例があります。
この工場では適切な温度管理を実施した結果、不良品率が減少した上に作業効率も改善し、生産性が大幅に向上しました。これは、適切な室温が作業員の集中力や正確性を高めてミスの発生を抑えたためと考えられます。
日本建築学会が実施した調査研究では、「室温を25℃から1℃上げるごとに作業効率が2%低下した」という、夏期の室温と作業効率に関連があるとする結果が出ており、この実例を裏付ける結果となっています。
倉庫業からの報告
ある企業では、物流倉庫では適切な室温管理によりピッキング作業の正確性が向上したという報告がありました。作業スピードも改善し、上流からの物流効率の向上に大きく貢献しています。
これは、寒さや暑さによる手先の感覚の鈍化を防ぎ、正確な作業を可能にしたためと考えられます。
従業員の満足度向上
適切な室温管理をしている工場や倉庫では、従業員の欠勤率も減少するという副次的な効果も見られており、従業員の健康面への効果があることが示されています。さらに労働災害の発生率も低下しており、安全な労働環境の構築にも寄与します。
快適な職場環境で働くことは、従業員のモチベーション維持・向上につながり、結果として生産性向上に大きく貢献します。離職率も低下し、人材の定着によって経営の安定に大きく貢献するでしょう。
工場・倉庫における理想的な室温は?
これまでに行われた多くの研究と事例で、室温と人の体、そして仕事の効率には深い関係があることが分かっています。
では、具体的にどのような気温で管理するのが適切でしょうか?
労働安全衛生法の基準値
労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」では、事業者が職場の環境を適切な温度・湿度に保つことを義務づけています。
具体的には、空気調和設備(いわゆるエアコン)を設けている職場では、室内の温度を18℃以上28℃以下、湿度を40%以上70%以下に保つこととされており、空気調和設備がない場合でも冷暖房器具などを用いて同様の温度範囲に保つことが望ましいとされています。
【職場の室内環境の原則】
・気温:18℃~28℃
・湿度:40%~70%
ただし、デスクワークをする場合と身体を動かして行う作業では体感気温が違います。作業の種類や強度によって最適な室温は異なり、重労働になるほど体温が上昇するため、やや低い温度が適しています。
夏期の注意点
高温環境では、従業員の疲労感の増加や集中力の低下が発生し、作業ミスや速度の低下などが起こりがちです。
そのため、夏期の室温管理では以下の点に注意が必要です。
・外気温との差を抑える(極端な低温は逆効果)
・比較的涼しい朝夕と高温になる昼間の温度変化に合わせた空調調整を行う
・暑さ指数(WBGT)管理を併用し、適正な湿度を保つ
特に夏期では熱中症の発生に十分な注意を払わねばならず、そのために気温と湿度を組み合わせた「暑さ指数(WBGT)」による管理が重要となります。
これは気温と湿度を組み合わせた指標で、人間の体感気温を数値化し環境管理に役立てるものです。
WBGT(暑さ指数)についてはこちらの記事も参考にしてください。
熱中症対策実行計画とは?工場や倉庫の熱中症対策について徹底解説!
冬季の注意点
低温環境では、毛細血管が収縮して筋肉も硬直化し、手先の器用さが低下します。反応速度の遅れやモチベーションの低下なども起こるため、冬季の室温管理では以下の点に注意が必要です。
・作業者の体感温度への配慮
・作業服や補助暖房器具の併用
・結露防止と空気質維持のための適切な換気
特に高齢者は、寒いと体調を崩しやすくなり、急激な温度変化から脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気にかかるリスクも高まります。労働災害を未然に防ぎ安全な職場環境を実現するためにも、適切な室温管理が重要なのです。
生産性向上のための効果的な室温管理の方法
ここまで解説してきたように、最適な室温管理を行うことは工場や倉庫の生産性の向上に繋がります。
しかし、事業に掛かる経費との兼ね合いも出てきますので、エネルギー効率と作業効率のバランスを取ることも必要でしょう。そのために必要な方策を下記に挙げていきます。
温湿度測定と監視システムの導入
まず大切なのは、単に温度を設定するだけでなく、定期的なモニタリングとフィードバックの収集を通じた継続的な改善の仕組みをつくることです。
現在の室温状況を常に把握し迅速な対応を可能にするために、作業場の各所に温湿度センサーを設置し、気温と湿度のモニタリングをすることをおすすめします。
モニタリングシステムと併用して、設定温度からの逸脱や急激な温度変化などを即座に検知し作業者や管理者に知らせるアラート機能を付加することで、問題を未然に防ぐことが可能になります。
空調設備の適切な配置と運用
空調設備の適切な配置と運用は、快適な作業環境と省エネルギーの両立に不可欠です。
以下の対策を総合的に実施することで、快適性と省エネを両立した空調環境を実現できるでしょう。
【設備面での方策】
・作業エリアの特性に応じてゾーニングを行い、軽作業エリアと重作業エリアなどで最適な空調設定にする
・シーリングファンやサーキュレーターを活用した気流制御で空気の循環を促進し、温度ムラを解消する
・高効率な省エネ型空調設備を導入し、エネルギー消費を抑えながら快適な室温を維持する
【運用面での方策】
・作業時間や季節に合わせたタイマー機能やプログラム機能、人感センサーなどを活用して無駄なエネルギー消費を抑制する
・機器の故障を防ぎ効率的な運転を維持するために、定期的なメンテナンスを行う
建物の遮熱で効率の良い温度管理が可能<
建物の遮熱は、効率的な温度管理に不可欠です。特に熱せられた建材から発生する「輻射熱」を遮断することで、建物内部への熱の侵入を大幅に抑制できます。
これにより、冷房機器の使用頻度を減らし、消費エネルギーを削減することが可能です。
具体的な方法としては、屋根や外壁に遮熱シートを設置する方法が非常に有効です。
次章では遮熱シートを活用して工場や倉庫の質感管理を容易にする遮熱シート『サーモバリア』について詳しく解説します。
高性能遮熱シート『サーモバリア』を活用した工場・倉庫の室温管理
屋根や壁からの輻射熱の影響を受けやすい工場・倉庫では、夏場の高温対策は欠かせません。そこでご紹介したいのが、高性能遮熱シート『サーモバリア』です。
サーモバリアは、アルミ純度99%以上のアルミ箔を使用した遮熱材で、その最大の特徴は「優れた反射性能」です。アルミの純度が高いほど反射率は高くなり、遮熱効果も高まります。
これにより、外部からの輻射熱を効果的に遮断し、建物内部への熱の侵入を大幅に抑制し、体感温度の低下、冷房効率の向上、光熱費の削減に貢献します。
また、冬場は室内の熱を反射することで暖房効率を高める効果も期待できます。
サーモバリアには、用途に合わせた複数のタイプが存在し、屋根、壁、天井など様々な箇所に施工可能です。特に、既存の建物にも後付けで施工できるため、改修工事にも適しています。
断熱材と併用することで、更なる効果を発揮し、より快適な室内環境を実現できます。
サーモバリアの施工によって、室内気温を快適にしつつ省エネに成功した事例が多くの事業所から報告されています!
サーモバリアの施工事例一覧
工場・倉庫の遮熱で生産性向上!
今回の記事でご紹介したように、工場や倉庫における室温管理は、作業効率と従業員の健康、製品品質に大きく影響します。
その対策として遮熱シート『サーモバリア』を導入すると、単なる暑さ対策に留まらず、労働環境が改善されて生産性が向上するだけでなく、光熱費も削減できるなど多方面にわたるメリットをもたらします。
工場・倉庫の室温管理にお悩みの際は、サーモバリアの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
SUNUPでは愛知県内全域の工場を対象に、実際に熱を当ててサーモバリアの効果を確認いただける「遮熱体感」を実施しています。24時間専用フォームにて受付を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。