地球温暖化の影響で、夏の暑さは近年厳しくなる一方です。特に気温35℃を超える猛暑日は2024年には名古屋周辺で39日にも達しており、熱中症などの健康被害も懸念されています。
そのような中、牛や豚、鶏などの家畜を扱う農家様にとって夏の暑さは深刻な問題です。
家畜の生育に大きな影響を与えるだけでなく、内部で作業をする際の熱中症対策も必要となります。
今回は、畜産農家様向けに畜舎の夏の暑さ対策について詳しく解説します。
高性能遮熱シート『サーモバリアを』を活用した効果的な対策もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
畜舎に暑さ対策が必要な理由
年々厳しくなる真夏の暑さは、家畜の飼育環境にも大きな影響を与えています。
まずは、夏の暑さが与える影響と理想的な飼育環境について確認してみましょう。
夏の暑さが家畜に与える影響
高温の気温が続くと家畜の生育に悪影響を与えますが、具体的には次のような現象となって現れます。
- 食欲不振
- 肥育不良
- 免疫力の低下
- 受胎率の低下
- 乳量の現象(乳牛の場合)
- 産卵率の低下(採卵用鶏の場合)
夏の猛暑で畜舎内の気温が家畜の体温を超えるような状態が続くと、家畜の体力をジワジワと削っていきます。
適切な対策を取らないと衰弱してしまい、最悪の場合は死に至ることさえあるのです。
家畜の生育に適した気温
代表的な家畜の平均的な体温と暑さを感じ始める気温は次の通りです。
いずれの家畜も人間の平熱よりも高めではありますが、30℃を超えるような気温では体温が上昇してしまいます。
体温が上昇した結果、呼吸が荒くなって飲水量も多くなり、活動量が減って全般的に活力が失われていきます。
地球温暖化の影響で平均気温が上昇した結果、これまで家畜の生育に適しているとされていた地域でも、何らかの対策をしなければ畜産を継続できない事態にも直面することになります。
畜舎内作業における熱中症対策
畜舎作業の中には重量物の運搬もあり、大きな体力を使います。畜産に従事する方にとって高温環境下での作業には大きな負担が掛かり、慣れている方でも熱中症の危険性があるため要注意です。
熱中症の発症のしやすさを示す「暑さ指数(WBGT)」の数値が31℃を超えると危険水準となり、作業は原則として中止すべきです。
暑さ指数(WBGT)を表示できる温湿度計が市販されていますので、まずは畜舎内に設置してみましょう。
危険水準となったら作業を中止し、適度な休憩を取り身体をクールダウンさせるようにしなければなりません。
暑さ指数(WBGT)と熱中症対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
工場の熱中症対策とは?遮熱シート導入で熱中症対策!
畜舎の暑さ対策には補助金が活用できることもある
畜舎の暑さ対策は、畜産農家の生産性の向上に不可欠な要素となっています。国や地方自治体では、暑さ対策に対する取り組みを支援するため、様々な補助金制度を設けています。
補助金の公募については、毎年度行政のウェブサイトで各年度の予算や事業内容が詳しく掲載されます。
【令和6年度補助金の例】
独立行政法人農畜産業振興機構 令和6年度畜産業振興事業に係る事業実施主体候補者の公募について
https://www.alic.go.jp/c-kanri/shinko01_001343.html
最新の補助金情報をキャッチアップするために、都道府県や市町村の農業振興課やご自身の加入している農業協同組合にお問い合わせをすることをおすすめします。
補助金の対象となる畜舎の暑さ対策には様々な方法がありますが、換気設備の導入や遮光ネットの設置、屋根の断熱や遮熱措置などが代表的な対策です。
次章ではこれらの暑さ対策について、メリットとデメリットを交えながら具体的に解説していきます。
家畜を守るために畜舎にできる暑さ対策5選
畜舎の暑さ対策として有効な手法を5つご紹介します。
それぞれ単独での導入も効果がありますが、複数の組み合わせで対策するとより効果的です。
畜舎の暑さ対策①強制換気の導入
畜舎内に大型の送風機を導入して、畜舎内に強制的に気流をつくります。内部にこもった熱気を排出することが主な目的ですが、家畜の周囲に気流が発生することで体感気温を下げる効果もあります。
湿気や臭気の排出にも有効ですので、暑さ対策の第一歩としてまず導入を検討してみるべきでしょう。
畜舎の暑さ対策②ミスト発生装置の導入
家畜に直接冷水を掛けて冷却する方法もありますが、急激な体温の変化は生体にとって刺激が強くあまりおすすめできません。
そこで、微細な水を周囲に噴霧するミスト装置を設置し、水分が蒸発し気化する際に周囲から熱を奪う「気化冷却」現象を利用し畜舎内の気温を下げる方法も効果的です。
ただし、畜舎内の湿度が上昇してしまいますので、導入の際には換気装置と組み合わせることを推奨します。
畜舎の暑さ対策③畜舎側面の遮光
壁や開口部などの畜舎の側面に当たる日射を遮る暑さ対策も有効です。
屋根の軒を伸ばしたり庇を取り付けたりする建築工事をすることが理想的ですが、簡易的に農業用の寒冷紗や遮光ネットを取り付けるだけでも大きな効果が得られるでしょう。
ヘチマやアサガオなどのツル系の植物を壁から屋根に向かって這わせる「グリーンカーテン」の手法もおすすめです。
畜舎の暑さ対策④畜舎屋根の断熱や冷却
多くの畜舎では、亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板などの金属系の屋根材が使用されています。
金属系の屋根材は軽量でコストパフォーマンスに優れた材質ですが、熱の伝導率が高く日射による熱をダイレクトに内部に伝えてしまうことが難点です。
金属系屋根材の暑さ対策としては、裏側にスタイロフォームなどの断熱材を設置して熱を伝えにくくしたり、金属板の表面温度を下げるために屋根面に地下水を流して冷却したりする手法が採用されています。
畜舎の暑さ対策⑤畜舎の屋根に遮熱
最もおすすめできる畜舎の暑さ対策は屋根の遮熱です。
これは屋根材の表面に遮熱塗料を塗装したり遮熱シートを施工するなどして日射をはね返し、内部への熱の伝導を防ぐものです。
屋根に遮熱対策をすることで内部の気温が3℃以上も下がったケースもあり、大きな効果が期待できます。
畜舎の暑さ対策なら遮熱シート『サーモバリア』がおすすめ
畜舎の屋根の遮熱には、高性能遮熱シート『サーモバリア』を自信を持っておすすめします。
サーモバリアは純度99%の高品質なアルミ箔を表面素材に使用した遮熱シートです。直射日光を反射するだけでなく、輻射熱を97%カットする優れた性能を持っています。
サーモバリアの特徴や効果、活用方法については、こちらの記事も併せてお読みください。
遮熱と断熱ができるサーモバリア 特徴や効果、活用方法についてご紹介
サーモバリアを利用することで畜舎内の温熱環境が大幅に改善され、大切な家畜を夏の暑さから守り順調に飼育することが可能になります。また、畜舎内作業に掛かる負担を軽減し、酷暑の中での作業で熱中症になってしまうリスクも抑えられるでしょう。
サーモバリアは畜舎のハードな使用環境にも十分耐えられる強度と水密性能を持っており、10年以上の耐久性があります。
屋根面への設置が困難な場合でも、屋根裏に貼り付けて輻射熱を遮る施工方法もあります。
愛知県蒲郡市のサーモバリア専門工事店SUNUP(サナップ)では、お客様の畜舎の構造や立地状況に合わせて最適なサーモバリアの施工方法をご提案いたします。
実際に熱を当ててサーモバリアの効果を確認いただける「遮熱体感」も実施しており、24時間専用フォームにて受付しておりますのでお気軽にお問い合わせください。